TREASURE COLLECTION

谷村新司 TREASURE COLLECTION歌詞
1.昴(すばる)

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

目を閉じて 何も見えず 哀しくて目を開ければ
荒野に向かう道より 他に見えるものはなし

ああ 砕け散る宿命の星たちよ
せめて密やかに この身を照せよ

我は行く 蒼白き頬のままで
我は行く さらば昴よ

呼吸(いき)をすれば胸の中 凩(こがらし)は吠(な)き続ける
されど我が胸は熱く 夢を追い続けるなり

ああ さんざめく 名も無き星たちよ
せめて鮮やかに その身を終われよ

我も行く 心の命ずるままに
我も行く さらば昴よ

ああ いつの日か誰かがこの道を
ああ いつの日か誰かがこの道を

我は行く 蒼白き頬のままで
我は行く さらば昴よ
我は行く さらば昴よ


2.群青

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

空を染めてゆく この雪が静かに
海に積もりて 波を凍らせる
空を染めてゆく この雪が静かに
海を眠らせ 貴方を眠らせる
手折れば散る 薄紫の
野辺に咲きたる 一輪の
花に似て 儚なきは人の命か
せめて海に散れ 想いが届かば
せめて海に咲け 心の冬薔薇

老いた足どりで 想いを巡らせ
海に向いて 一人立たずめば
我より先に逝く 不幸は許せど
残りて哀しみを 抱く身のつらさよ
君を背おい 歩いた日の
ぬくもり背中に 消えかけて
泣けと如く群青の 海に降る雪
砂に腹這いて 海の声を聞く
待っていておくれ もうすぐ還るよ

空を染めてゆく この雪が静かに
海に積もりて 波を凍らせる
空を染めてゆく この雪が静かに
海を眠らせて 貴方を眠らせる


3.陽はまた昇る

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

夢を削りながら 年老いてゆくことに
気が付いた時 はじめて気付く空の青さに

あの人に教えられた 無言のやさしさに
今さらながら涙こぼれて 酔いつぶれたそんな夜

陽はまた昇る どんな人の心にも
あー 生きてるとは 燃えながら暮すこと
冬晴れの空 流れる煙 風は北風

鉢植えの紫蘭の花 朝の雨にうたれ
息絶えだえに ただひたすらに遠い窓の外

もしかして言わなければ 別離ずにすむものを
それでも明日の貴方の為に あえて言おう“さよなら”と

陽はまた昇る どんな人の心にも
あー 生きてるとは 燃えながら暮すこと
春はまだ遠く 哀しむ人よ 貴方を愛す

陽はまた昇る どんな人の心にも
あー 生きてるとは 燃えながら暮すこと

春はまだ遠く 哀しむ人よ 貴方を愛す
春はまだ遠く 哀しむ人よ 貴方を愛す


4.三都物語

作詞:多夢星人
作曲:谷村新司

胸さわぎの旅は いま始まって
時の流れのままに こころを遊ばせ
この私は 誰を訪ねるあてもなく
まるで詩人のように 景色に染って

ああ なんて 街それぞれ美しいの
ああ なんて 人それぞれ生きているの

昨日 今日 明日 変わり行く私
紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう

風そよげば ひとり胸抱きしめて
愛の不思議を思う 吐息をもらして
この泪は きっと感じるよろこびね
揺れる瞳に映る 季節に恋して

ああ なんて 街それぞれ美しいの
ああ なんて 人それぞれ生きているの

朝に舞う夢 黄昏に出会い
ほんの一時のためらいを 誰に言いましょう

昨日 今日 明日 変わり行く私
紅くいろづくときめきを 誰に告げましょう


5.いい日旅立ち

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

雪解け間近の北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を 叫ぶ時
帰らぬ人達 熱い胸をよぎる
せめて今日から一人きり 旅に出る

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 夕焼けをさがしに
母の背中で聞いた歌を 道連れに

岬のはずれに 少年は魚つり
青い芒(すすき)の小径を 帰るのか
私は今から 想い出を創るため
砂に枯木で書くつもり“さよなら”と

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 羊雲をさがしに
父が教えてくれた歌を 道連れに

ああ 日本のどこかに
私を待ってる人がいる
いい日旅立ち 幸福をさがしに
子供の頃に歌った歌を 道連れに


6.忘れていいの -愛の幕切れ-

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

(女)忘れていいのよ 私のことなど
(女)一人で生きるすべなら知っている
(女)悲しいけれどこの年なら
(女)もういいわ もういいわ おこりはしないわ
(女)不思議ね 別れの予感を感じてた
(女)心の中で少しづつ
(男)甘い夢 見ていた二人に
(男)不意に訪れた 悲しい愛の幕切れ

(女)笑って見送る私は平気よ
(女)貴方を乗せたこのバスが 見えなくなるまでは
(女)笑っている
(女)見つめていないで 背を向けていいのよ
(女)上着の襟が立ってるわ 自分でちゃんと直すのよ
(女)今日からは
(男)指先の冷い女は
(男)臆病者だから 一人じゃ生きてゆけない
(女)手を振る貴方に心は乱れる どうかあなた
(女)どうかあなた 行かないで 行かないで

(女)忘れていいのよ 私のことなど
(女)一人で生きるすべなら知ってる 悲しいけれど
(女)この年なら

(男女)遠ざかる愛が消えてゆく
(男女)涙あふれても逃げない バスが行くまで
(男女)涙あふれても逃げない バスが行くまで


7.22歳

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

白いシーツをまきつけ 背中でサヨナラの
悲しい別離を感じてた 窓の外は光る海

やさしさとか愛だとか 綺麗な言葉など
信じれる程 若くはない それは知っていたけれど

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね
私の髪の煙草の匂い 消えるまでの思い出ね

やさしくもない貴方に 振りまわされた日々
遊びのふりを続けるには 夏は少し長すぎた

激しい愛の言葉で つづられた歌など
しばらくは もう聞きたくない 強がるには疲れ過ぎた

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
愛の映画に照れて笑った 貴方が寂しかったわ
愛の映画に照れて笑った 貴方が寂しかったわ

22歳になれば少しずつ 臆病者になるわ
何故かわかる? 貴方
あー 夏がゆく傷を残して 風はもう秋の気配
あー 夏がゆく傷を残して 風はもう秋の気配


8.Far away

作詞:伊藤薫
作曲:伊藤薫

こんなに遠く離れていても
夜毎心は空を駆けてゆく
君だけいれば君さえいれば
生きる事さえ辛くないから

君が病んだ時は僕は息を止めて
熱い想いをこめ祈り捧げたい

Too far away
愛への道は far away
だけどかすかに光見えればそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから言葉をひとつくれればそれでいい

見えない糸で結ばれている
そんな約束僕はほしいよ
つきなみだけどこの世に一人
君だけ好きだ 君だけ好きだ

君を風に変えて空に飾りたい
僕は星になって君を守りたい

Too far away
愛への道は far away
だけど君のほほえみ思えばそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから勇気をひとつくれればそれでいい

Too far away
愛への道は far away
だけどかすかに光見えればそれでいい
Too far away
君への道は far away
だから言葉をひとつくれればそれでいい


9.階 -きざはし-

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

海を渡る風は夢の匂い運び
燃ゆる瞳をなお紅く染めてゆく
耳を澄ませばいま遠い国の調べ
胸の琴糸を甘くゆらしてくる

※時が来れば野を駈けても
行かなけりゃ行かなけりゃ
悔やむ気がする
あなたにはあなたには
夢を信じていてほしい
僕は今橋になる
夢を渡らせる為の橋になる※

人はいつも胸に穏やかな覚悟を
抱きしめながらも夢を追う階
美しく生きたい終の宿までは
愛に支えられ遥か旅路を往く

(※くり返し)

あなたにはあなたには
夢を信じていてほしい
僕は今橋になる
夢を渡らせる為の橋になる


10.サライ

作詞:谷村新司
作曲:弾厚作

遠い夢 すてきれずに 故郷をすてた
穏やかな 春の陽射しが ゆれる 小さな駅舎
別離より 悲しみより 憧憬はつよく
淋しさと 背中あわせの ひとりきりの 旅立ち

動き始めた 汽車の窓辺を
流れてゆく 景色だけを じっと見ていた
サクラ吹雪の サライの空は
哀しい程 青く澄んで 胸が震えた

恋をして 恋に破れ 眠れずに過ごす
アパートの 窓ガラス越し 見てた 夜空の星
この街で 夢追うなら もう少し強く
ならなけりゃ 時の流れに 負けてしまいそうで

動き始めた 朝の街角
人の群れに 埋もれながら 空を見上げた
サクラ吹雪の サライの空へ
流れてゆく 白い雲に 胸が震えた

離れれば 離れる程 なおさらにつのる
この想い 忘れられずに ひらく 古いアルバム
若い日の 父と母に 包まれて過ぎた
やわらかな 日々の暮らしを なぞりながら生きる

まぶたとじれば 浮かぶ景色が
迷いながら いつか帰る 愛の故郷
サクラ吹雪の サライの空へ
いつか帰る その時まで 夢はすてない

まぶたとじれば 浮かぶ景色が
迷いながら いつか帰る 愛の故郷
サクラ吹雪の サライの空へ
いつか帰る いつか帰る きっと帰るから


11.浪漫鉄道 (途上篇)

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

遥か地平まで続く 線路に耳を押し当て
夢も半ばに倒れし 工夫の想い辿れば
茜射す草原のきらめきに抱かれて
熱い魂は音を立てて廻り始める
途上に迷い乍ら 走り続けよ旅人
線路の枕木は愛 大いなる旅路を行け

少年は空を見てた それが愛だと気付かず
瞳の中を流れる 雲が夢だと気付かず
錆色の古い写真に誓う約束
日々の暮らしに疲れた胸が今 騒ぐなら
途上に迷い乍ら 走り続けよ旅人
砂塵にその身委ねて 大いなる旅路を行け

途上の土に乾く 夢ならば悔やむまいぞ
遥かな地平を見つめ 永眠るなら悔やむまいぞ

途上の土に乾く 夢ならば悔やむまいぞ
遥かな地平を見つめ 大いなる旅路を行け


12.ダンディズム

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

帰れダンディズムの都へ
夜は男の心の中
踊れ裸足のままで
汗に濡れたシャツのままで
息子よいつの日かこの酒を
古びた止まり木の片隅で
酔えば俺をかつぎ出せ
月あかりの石だたみへ

歌おう大きな声でお互いの
叫ぼう愛する人の為に
歌おう君の愛する母の歌を
歌おう私の愛する妻の歌
人生は束の間の祭り
せめて人を愛せよ ダンディズム

戻れダンディズムの港へ
船は男の心の中
怒れ時代の波に
優しさとは強さのこと
息子よいつの日かこの時が
君の想い出に変わる頃
俺は遠くの酒場で
グラスをあげ笑っている

歌おう大きな声でお互いの
叫ぼう愛する人の為に
歌おう君の愛する母の歌を
歌おう私の愛する妻の歌
人生は束の間の祭り
せめて人を愛せよ ダンディズム
歌おう大きな声でお互いの
叫ぼう愛する人の為に
歌おう君の愛する母の歌を
歌おう私の愛する妻の歌
人生は束の間の祭り
せめて人を愛せよ ダンディズム


13.チャンピオン

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

つかみかけた熱い腕をふりほどいて君は出てゆく
わずかに震える白いガウンに君の年老いた悲しみを見た
リングに向う長い廊下で 何故だか急に君は立ち止まり
ふりむきざまに俺に こぶしを見せて寂しそうに笑った
やがてリングと拍手の渦が
一人の男をのみこんで行った(You're King of Kings)
立ち上がれ もう一度その足で立ち上がれ
命の炎を燃やせ

君はついに立ち上がった 血に染まった赤いマットに
わずかに開いた君の両目に光る 涙が何かを語った
獣のように挑戦者はおそいかかる 若い力で
やがて君は静かに倒れて落ちた 疲れて眠るように
わずかばかりの意識の中で
君は何を考えたのか(You're King of Kings)
立たないで もうそれで充分だ
おお神よ彼を救いたまえ

ロッカールームのベンチで君は
切れたくちびるでそっとつぶやいた(You're King of Kings)
帰れるんだ これでただの男に帰れるんだ
これで帰れるんだ
ライ ラ ライ
ライ ラ ライ……


14.DREAMS COME TRUE

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

君はとなりで寝息をたて 子供みたいに眠る
僕はひとりでみつめている そんな君の横顔

あの日の恋を 憶えているか
まるで真夏の 嵐のような恋

DREAMS COME TRUE
あの日の恋は 時をへだてて
DREAMS COME TRUE
いま この手の中

僕は知らない 出逢うまでの 君の大事な想い出
どんな男に抱かれたのか どれほどに傷ついたか

年を重ねて美しくなる
爪の先まで 君を愛している

DREAMS COME TRUE
あの日の恋は 愛に変わって
DREAMS COME TRUE
いま この手の中

※DREAMS COME TRUE
あの日の恋は 愛に変わって
DREAMS COME TRUE
いま この手の中※

(※くり返し)


15.天狼(てんろう)

作詞:谷村新司
作曲:谷村新司

哀しみ背おいて家路をたどれば
遠くにゆらめく憩いの 灯
心に冬の凪ひきずる 鎖をほどけば
ほどけばその足も痛まぬものを
あ-年老いた 白き 狼よ
誇りを今すてて帰れねぐらへ

群れから離れて 掟を逃がれて
薊を 枕に 儚きまどろみ
心に冬の凪星降る砂丘に
いつかは いつかはその命終れと祈らん
あー年老いた 白き 狼よ
その身を横たえて眠れ瞬時

心によみがえる 嵐にその瞳を
ひらけば ひらけば空を裂き 輝く天狼
あー年老いた 白き 狼よ
憩いを今すてて叫べ
夜空に志があるならば 叫べもう一度